J. E. T 活 動 記 録
2005年 3月 28日記

活動名 三原山 火口洞窟調査参加(NPO火山洞窟学会への参加)
活動内容 割れ目噴火口内のリフトケーブ確認・調査
入洞洞窟 C9火口、他
場 所 伊豆大島
日 程 2005/3/19〜3/21
参加者 近野、NPO火山洞窟学会メンバーのみなさん
使用車両 島ではレンタカー
会 計 新幹線 名古屋←→熱海(8580x往復)、高速船 熱海←→大島(4500x往復)、参加費 約21000円/人(宿泊費2日分、レンタカー2台、ガス代、酒代、ザイル送料)
昨年夏の洞窟学会・平尾台大会にてお会いした、火山洞窟学会の木崎さんのご紹介で、三原山の火口調査に参加することができました。JETから参加したのは近野のみなので、JETの活動と言いきれませんが、面白い内容だったのでご報告します。
写真はこちら

3/19 朝9時熱海発の高速船に乗船。1時間で大島に到着。
島に上陸する登山客、ダイビング客の中に一組だけヘルメットとザイルを持った団体を発見。
これがすっかり酔っ払った火山洞窟学会のみなさんでした。初対面の方ばかりでしたが、すぐにいい方ばかりだとわかりました。
まずはさっそく割れ目噴火口列を確認に行きます。車の中では洞窟の話で持ちきり。みなさん、よっぽどの洞窟好きと見ました。
三原山登山道路の途中で、割れ目噴火口への看板があるので、場所はすぐにわかります。割れ目噴火口見学ルートへの入り口にある駐車場で着替えて、観光ルートから外れたところにある火口を見に行きます。割れ目噴火とは、普通に山頂から噴火するのではなく、山の斜面に沿って縦に地面が裂けて、複数の小さい噴火口がたくさんできたところのことで、このとき調査したのはC列と呼ばれる11の火口列でした。
C10にリフトケーブという珍しい火山洞窟があるのではないかと予測して調査を行いました。
既存の資料などを見ながら、火口を調査して歩き、フリーで入れそうにない深い火口(翌日、C9と判明)にラダーとロープをセットして伊東さんと近野の2名が下降しました。
その後、いったん駐車場へ戻り、三原山をちらりと見学した後、さきほど確認できなかったC11を探しに、めぼしをつけていた林道へ。C11らしい火口もすぐに発見し、その底に横穴も確認できました。
火山を歩くのは初めてでしたが、ほとんど草木が生えていなくて、浮石が多く、見た目よりも歩きにくかったです。溶岩石は尖っていて、うっかり手をつくと簡単に怪我してしまうので、驚きました。
この日は宿(貴船)に戻り、夕食後、大宴会。JETは下戸ばかりなので、久しぶりに大酒を飲んでしまいました。

3/20 前日確認した、深い火口の測量チームと、博物館への情報収集チームに分かれました。午後からは火口で待ち合わせして、C1から順番に火口を見学する予定です。リーダーの田近さんは「3時に活動を終了して、すぐに宴会を開始する」と意気込んでいました。近野は測量チーム。
9時に宿を出発。10時には測量開始していたように思います。火口の径と火口底の径や形状を計り、11時すぎには測量完了。地形図などから、その火口がC9だと判明し、周囲の火口も再度確認に行きました。C7で小さな火山洞窟を発見。伊東さんが入りましたが、ハーネスやポケットの中身を出さないと入れないほど入り口が狭かったです。
C7の近くで花崗岩を包み込んだ溶岩石を発見し、みんなで写真を撮りました。
その後、C9火口で情報収集チームと合流、昼食の後、行きとは逆のルートでC11のある林道方面へ下って帰りました。情報収集チームが林道からあがってきたので、測量チームもその車に同乗して戻る計画でした。林道に出るまでの斜面でメンバーの方が浮石に足をとられて転倒。大事には至りませんでしたが、少し怪我をされました。確かにそこは浮石ばかりで足元が不安定な斜面でした。
林道から火口列C列の見学ルートへ移動。火口列をC1から順番に見て行きました。
見学が終わると、本当に3時くらいで、すぐに宴会を開始しそうな勢いです。
私は翌日、所用のため朝のフェリーで帰らなければならないので、なんだかもったいなくて焦りましたが、その後希望者による博物館見学ツアーを組んでいただけました。
「伊豆大島火山博物館」は火山についての豊富な展示が面白く、時間ぎりぎりまで粘ってしまいました。
この日、宿に帰ると、夕食後、やはり大宴会。宴会だけのために東京からいらした方もおられました。感服。

3/21 朝11時のフェリーで帰らなければならないので、みなさんをつき合わせて早朝から三原山山頂に。御神火(ごじんか)茶屋から早歩きで30分ほど登ると山頂。火口は雄大で、あちこちに水蒸気をあげています。時間を気にしながら見学していると、宮下さんが博物館で入手した資料から噴火口近くの溶岩洞を発見されたようです。しかし、私はすでにタイムリミット。後ろ髪を引かれながらも、磯部さんに運転していただいて、岡田港に急ぎました。岡田港でくさや、焼酎、島塩を買い込んで、無事にフェリーに乗り込みました。
ちなみに、この日の夕方、大阪で旧友の転勤祝いの会があったのですが、そちらにも無事に参加することができました。


ケイビングを始めたばかりの頃は、洞窟行きたさに一人で他所のチームに参加することが多かったのですが、最近はJETの活動ばかりで、少し閉塞した気分だったように思います。この火口調査で、久々に新しい人・世界と出会えて、刺激になりました。自分にとっても、JETにとっても、新しい引き出しを増やすきっかけとなればいいなと思っています。
ちなみに結局、リフトケーブはあったという結果のようですが、私には定義や詳細がいまだによく理解できないので、お恥ずかしながら説明は控えさせていただきます。
記入者 近野

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