J. E. T 活 動 記 録
2005年 12月 26日記

活動名 浜松 ドリーネの穴巡検
活動内容 龍ヶ岩洞 探検訓練施設でのSRT練習と「ドリーネの穴」巡検
入洞洞窟 ドリーネの穴
場 所 静岡県浜松市
日 程 2005/12/25
参加者 稲垣、柏木、チカノ
使用車両 チカノ号(アルト)、稲垣号(ジムニー)
会 計 食事(各自)、高速代(2300円、2450円)ガス代2000円、(柏木・チカノで折半)
柏木隊員と霧穴合宿について連絡をとりあうなかで、12/25(日)にSRT練習になるような竪穴ケイビングを実施することになった。
柏木隊員の「竪穴練習がしたい。」という希望と、私の「穴に入りたい。」という希望を満たす内容を検討した末に、浜松ケイビングクラブの訓練施設で予習をした後で、同じく浜松ケイビングクラブが調査中の「ドリーネの穴」に入洞する計画がたち、稲垣顧問から浜松ケイビングクラブの竹内さんに連絡してもらい、ご協力をお願いすることができた。
JET側の緊急連絡先は、「ドリーネの穴」に行ったことがある吉田隊長にお願いした。

12/25、朝8時に竜ヶ岩洞にて稲垣顧問と待ち合わせ。
柏木隊員は前夜からJETバーに宿泊して、翌日に備えたが、寝坊&高速逆走などの理由で遅刻して、8時40分頃に到着した。
稲垣顧問には事前に遅れる旨を連絡していたので、ちょうど稲垣顧問も来たばかりだった。
準備を整えて、竜ヶ岩洞にある洞窟探検訓練施設に向かうと、浜松ケイビングクラブの竹内さんがいらしていた。
私は竹内さんとは何度かお会いしているが、親分肌でユーモアのある方だ。
この日は第四日曜日だったので、一般のお客さんを対象にした探検教室が開催される日だったのだ。
探検教室では、探検訓練施設で練習した後、体験ケイビングをしてもらうのだが、生徒さんはまだ来ていなかった。
訓練施設で竹内さんとお話したり、SRT訓練施設で竹内さんおすすめのロープを試したりしていると、生徒さんたちがやってきた。
この日の生徒さんたちは、磐田市のボーイスカウトのチビッ子たちだった。
ボーイスカウトの隊長さんが、稲垣さんを竹内さんだと勘違いして、チビッ子たちに
「みんな!今日お世話になる浜松ケイビングクラブの竹内さんです!」と紹介をはじめたが、
そのとき竹内さんはSRT訓練施設でロープにぶらさがっていて、生徒さんからは見えないところにいた。
確かに稲垣さんは怪しい風貌で、探検隊の会長さんらしく見えたのだろう。
稲垣さんがあわててボーイスカウトの隊長さんに「私は違います!」と訂正しているのが見えたので、ロープにぶらさがっている竹内さんに「あの、竹内さん。みなさんお待ちですよ」と声をかけると、
「いーの、いーの!」と楽しそうにロープにぶらさがったままだ。
やっぱり、ケイビングチームのリーダーとなるような人は、余裕があるなぁ、とヘンに納得してしまった。
しばらくロープにぶらさがって満足した様子の竹内さんは、悠々と生徒さんたちのほうへ歩いて行って、洞窟探検についての説明を始められた。生徒のチビッ子たちが真剣に話を聞く姿がほほえましい。

私と柏木隊員はその間にも、SRT施設で何度か昇降を練習した。
柏木隊員は自分の課題がいくつかあるようで、真剣にあれこれ試していて、私もときどき様子を見て問題点などを一緒に考えた。
私はこの機会に先日購入したばかりの「フレイノ」を試してみた。
「フレイノ」はシンプルディセンダー用のブレーキカラビナで、最近シンプル派の私にあつらえたようなカラビナだ。
年末の霧穴では、新品のロープを使用する予定なので、このフレイノが役に立つだろう。
使いごごちもよく、購入してよかったと満足できた。
また、いつものように「パンタン」の練習もした。
技術本に書いているように、足のキックだけでパンタンからロープを外すことができないので、いつも練習するけれど、あまり成功しない。
実践では手を使ってロープを解除している。
ちなみにパンタンに関して別の問題は、荷物が重いとパンタンに荷重をかけすぎて取り付けているベルトが緩んでしまうので、荷重をかけすぎないように登ろうと思うが、場合によってはそれが難しいのが悩み。
柏木隊員と私とでSRT訓練施設を占拠している間、探検教室のチビッ子たちは、大騒ぎで横穴探検の訓練施設にチャレンジしていた。
天気はいいけれど、数日前まで大寒波で全国的に暴風雪が吹き荒れていたほどでけっこう寒いというのに、チビッ子どもはめちゃめちゃ元気だ。
竜ヶ岩洞には、狭洞通過や、チムニー、クライミングの訓練ができる施設があり、探検教室で体験できる。
クライミングの壁に張り付いているチビッ子の中に、なかなかいい動きの女の子がいたので、思わずスカウトしたくなったが、まだ小学生くらいなので、青田買いにもほどがある、と思いとどまった。

もともと練習開始が遅かったので、柏木隊員が満足してロープから降りてきたときにはお昼になっていた。
探検教室もお昼休みになったようなので、再び竹内さんと少しお話してから、稲垣さん、柏木さん、私の3人は「ドリーネの穴」に向かった。
コンビニでお昼ゴハンを購入してから、車で40分ほど走った林道の終点が「ドリーネの穴」の入山ポイント。
予定よりもかなり遅れたので、吉田隊長に出洞時間が遅れる旨を連絡しておいた。

入山口でお昼ゴハンを食べて、10分ほど山を歩くとすぐに洞口に到着した。
私は事前に竹内さんに「ドリーネの穴」の様子をお聞きしていたので、見るとすぐにわかったけれど、石灰岩の露岩が出ている近くの斜面に落とし穴のように直径1m程度の土穴が開口していて、それが洞口だ。
土穴から2mほど斜面を登ったところに、直径5mはあるような大きな竪穴があって、石灰岩の感じから見ても、こちらのほうが洞窟として有望そうだが、違うらしい。
そもそも、大きいほうの竪穴は長年「浜松唯一のドリーネ」として知られていた陥没だったらしいが、ここ数年で落ち込みが進んで竪穴に発達したそうだ。
竹内さんが入ってみたらしいが、現状では10mほどで終わっているとのことだった。
(なお、現在では浜松には他にもドリーネが見つかったので、この陥没が「唯一のドリーネ」ではなかったことが判明している)
大きいほうの穴にも入ってみたかったが、時間も遅かったので、すぐに「ドリーネの穴」に入洞開始した。
私は初めての穴だったので、稲垣さんにリギングをお願いしたが、稲垣さんも以前に入ったのはだいぶ昔だったので、以前は無かったアンカーを探すのに手間取っていた。
洞口は日が差さない場所で、待っている間に風も出てきて、柏木さんと私は「もうこのまま帰りたい」と文句を言いつつ待ちつづけた。
稲垣さんがアンカーを見つけた後は、すぐにセッティングが終わって、柏木さんが次に降りていった。
洞口で私一人になると、寒いしヒマだし、つまらないので、ビレイをとって洞口に体を半分入れてうとうとしながら待っていた。
洞口からは暖かい風が吹き出していたので、外で待っているよりも快適だったのだ。

柏木さん独自の到着コール「ア〜…」がかすかに聞こえてすぐに下降開始した。
私の下降のコールは聞こえていないようだったが、声が通らないのはお互い了解済みだったのでガンガン降りた。
2mほどの土穴が終わると、直角に近い角度で狭い斜洞になり、斜洞からは石灰岩が出て洞窟らしい様相を見せていた。
斜洞から下方へ抜ける狭い口を抜けると、10m以上ありそうな垂直な竪穴になっている。
竪穴はクラック状の平べったい空間だが、クラックというよりも溶けてできた感じの壁。
狭い斜洞からの出口付近から下には、落ち込んだ腐葉土や小さな落石が堆積して、コウモリのような小さな動物の骨も見られる。5mほど下降すると、背面の壁にリングボルトが縦に二つ打ってあった。
リングボルトを背にして右手には、風が出てくる横穴が見えて、近づくと下方につづく竪穴が隣接していることがわかる。
また、リングボルトのある位置から5mほど真下に降りると、1mx0.3mくらいのチョックストーンがあり、そのあたりの左手にはもうひとつ風が出てくる横穴が見えるが、ロープが岩に干渉する方向なので、近づかなかった。
この穴の竪穴部分は壁から出た岩にロープが干渉するところが多く、今回はプロテクターを3つ使用したが、それでも足りないほど岩に擦っているのがこわかった。
チョックストーンの左側から降りて、約2mくらいで洞床に到着した。
竪穴部には浜松ケイビングクラブが設置した、連絡用インターホンのラインがあるが、ルートを選べば特に邪魔になることはない。

実は、竪穴の形状が少し複雑で、降りている間は穴の形状をあまり把握できなかった。
洞床に到着してもやっぱりよくわからなくて、周囲を見回すと自分が洞床のホールの端っこに立っていることがわかった。
到着地点から洞床が急斜面になっていて、斜面の一番低いところに小さな水流が流れている。
この水流が「ドリーネの穴」の横穴部分を支配している。
横穴は竪穴の下降地点から上流と下流に分かれていて、下流は落盤と土砂の隙間をぬう狭い空間が続き、距離はほとんどないようだった。
上流は長い距離のトレンチが続き、奥の方に行くにつれて白い鍾乳石がたくさん見られる。
はじめはきれいなトレンチや、水で洗われた洞壁に感激して、その後は透明なつららや小さなヘリクタイトに感激。
水流部には、あなぐま?か何か小動物の糞が大量にあって、洞窟に頻繁に遊びにきていることがわかって、楽しかった。
最近、骨がブームの柏木さんは骨を捜したけれども、洞床の骨はほとんどが粉砕されていて、採取できそうなものはなかったようだ。

下流と上流のメインルートを見学して、6時半くらいに出洞を開始した。
稲垣さんが一番に出洞し、その後柏木さんが出洞。
私は最後になったので、洞床に寝転がってうとうとしながら出洞を待った。
しばらくするとまた、柏木さん独自の到着コール「ア〜…」がかすかに聞こえたので、出洞を開始した。
出洞するともう真っ暗で、7時半。暗闇の中を闇雲に下山したけれど、アプローチが超短いのですぐに道路に出た。

車に着くとすっかり夜だったので、晩御飯を食べようかという話になった。
浜松は稲垣さんの地元だ。
どこかお勧めの食べ物屋さんはないかと聞くと、稲垣さんが悩みこんだので、町中に出るまでに今まで稲垣さんがデートで行った食べ物屋さんをリストアップしてもらうことにしてとにかくスタートした。
街中に出ると、稲垣さんが車を停めて、「おしゃれな中華料理屋、ハンバーグ屋さん、定食屋さん」の3つを提案してくれたので、ハンバーグ屋さんを選択した。
私たちはハンバーグ屋さんを選択したけれど、実際に稲垣さんがデートで行ったハンバーグ屋さんはもう無くなっていた。
時間の経過を噛み締めながら、私たちは元・ハンバーグ屋さんだったイタリアンレストランで夕食を済ませた。
ハンバーグ屋さんでのデートの思い出を聞けばよかったなぁ。

龍ヶ岩洞の訓練施設でSRTの練習。ちょうど探検教室の日だったのでちびっ子で賑わっていた。
林道の終点 洞口 寒い中、待ち続ける やっと入洞 下流ルートへの入口
上流ルートの分れ道 ペンダント 天井を這って進む 動物の糞にヒゲが 鍾乳石たくさん
ベーコンたくさん 透明なストロー♪
記入者 チカノ

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