J. E. T 活 動 記 録
2005年 11月 22日記

活動名 第12回 近江カルスト自然史調査(石灰洞)
活動内容 博物館依頼の洞窟調査 新洞探査と調査(測量、洞穴性生物採取、撮影)
入洞洞窟 無名洞2つ
場 所 霊仙山
日 程 2005/11/22
参加者 稲垣、青柳、柏木、日置、宮本、チカノ、他3名
使用車両 宮本号、青柳号、他1台(ミニ)
会 計 食事(各自)、交通費(調査費より補助)
多賀町の博物館より依頼を受け、近江カルストの石灰洞を調査する。2年前より毎年この時期に行うようになってきた。今回は、霊仙山の山頂付近に3つの洞窟があるという、登山家からの情報を頼りに新洞を探し、調査する予定だった。運良く、以前洞口を見たことがあるという大阪市立大探検部のOBが同行し、案内役を果たしてくれたので、洞口探しに手間取ることなく、調査にかかることができた。

朝3時 JETバー集合。前夜より、稲垣、柏木、チカノが宿泊。日置、宮本が時間通り現れる。荷物を積み込んで、3時半出発。コンビニで朝食・昼食・行動食など購入していると、4時になった。現地の集合は5時だが、関が原ICから近い上石津町役場駐車場なので、時間には余裕があり、5時前に到着した。
すでに青柳カーが泊まっていて、中で仮眠しているようだった。
ちょうど時間どおり、博物館職員でJETメンバーの阿部さんと同じくJETメンバーのMASAが到着。挨拶していると、案内役の大阪市立大OB・T氏も現れた。とりあえず登山口までの行程を打ち合わせて、5時半、役場を後にした。
役場からは幾里林道という林道を通って、霊仙山山頂付近まで登るが、この林道は通行許可が必要なので、通常は利用できないようだ。とても整備の行き届いた林道で、山頂まで一気に登れる便利な林道だ。霊仙山の山頂付近というと標高1000m付近になるので、登山道を登るとなると日帰りでのケイビングは不可能だろう。車でもけっこう時間がかかった。案内してくれた大阪市立大OBは映画などでも有名なミニというおしゃれな車に乗っていたが、林道のボコボコ道を果敢に攻めてくる。朝日を浴びて林道を走るミニに、JET一同驚愕のまなざしを送った。7時ごろに入山予定ポイントの近くに到着して、入山とケイビングの準備、パッキングをする。付近の道端の草には「えびのしっぽ」という樹氷の一種ができていて、寒さを実感した。パッキングを済ませてから、調査の段取りを打ち合わせた。有望な穴から調査を開始し、測量担当以外は次の穴を探すこととなった。すでに発見されている穴は、「竪穴」「穴」「山田さんの穴」と名づけられていて、ドリーネにできた池「三蔵池」「Qちゃん池」の周辺に分布している。まずは「竪穴」に行くこととなった。
入山したポイントの近くには有名な「継子穴」があったので、まずはその穴の横を通って、目的地へ向かう。JETメンバーは、霧穴合宿を目前に控えているので、訓練志向が強く、重い荷物を我さきにと奪い合うように選び、「霧穴の荷物はこれより重いんだよね〜?」と不安そう&嬉しそうに山を登っている。

すでに登山家が作成した、GPSのポイントをもとにした地図があり、経験者の案内があるので、「竪穴」は容易に発見できた。8時すぎには「竪穴」の洞口に到着していた。洞内探査を担当する稲垣、青柳、チカノ以外は他の穴を探しに行った。稲垣、青柳が油断しているすきにチカノは「ちょっと様子を見る」と言って穴に近づき、一人で入洞。穴はワンピッチの竪穴で洞床は泥だらけ。それ以上の展開は難しそうだった。奥に少しつながっているようだったが、ディギングが必要だ。
とりあえず測量を開始していると、9時ごろ洞窟探査班が帰ってきた。「山田さんの穴」は発見したが、あまり見込みはないらしい。私たちは測量を継続して阿部さん・柏木が調査に加わり、あとのメンバーは他の穴を探しに行くことになったようだ。2時半には完了するだろうという予測だったが、ワンピッチだけなので私はもっと早く完了すると考えていた。
リギングは近くの木から、50mで十分の高さ。だいたい18mくらいの竪穴。5mΦくらいの大きなドリーネがなだらかに洞窟になっていて、洞床まで続いている。洞床は北のほうに斜めに下っていき、ツーピッチ目を期待させる小さな支洞の入り口へと収束している。3mx8mといった感じの洞床は泥と腐葉土や倒木で覆われており、支洞の入り口も泥で埋まった状態。泥の表面には、虫やカエル、骨が見られる。骨はほとんどがカエルのものだったが、カエルはけっこう立派な骨なので驚いた。生きたカエルもたくさんいて、体長15cmくらいのヒキガエルもいた。小さな支洞の入り口あたりには、鹿の骨があったようで、JETのNEW骨コンビ阿部&柏木がはりついて骨をほじくりだしている。11時すぎにはほとんど測量も終わり、稲垣・青柳は出洞した。
しかし、鹿の骨に執着した柏木が、知らないうちにディギングしていたようで、小さかった支洞を通れる大きさにまで広げてくれたので、チカノが様子を見に行くと4ポイントくらいとれる長さに続いていたため、測量を継続することになった。支洞の中には、他にも鹿やカエルの骨がたくさんあったり、竪穴を思わせる洞壁の様子などが、けっこう楽しかったが、とにかく狭いので測量は大変だった。最後のポイントの先にも、まだ竪につながっているように見えたが今度こそ土砂で埋もれていて、その先を進むことは不可能だった。

阿部さんの最初の目算どおり、2時半ごろに測量を完了した。稲垣さんはその後すぐに撤収して明るいうちに下山するつもりだったが、まさやんの配慮で、洞窟探しだけだったほかのメンバーも「竪穴」に入洞することになった。その間に、阿部さん、稲垣、柏木、チカノ、案内役OB氏は、他の穴を確認に行き、次の調査の計画を立てることになった。入洞チームはハーネスなどの準備を開始したが、彼らはほとんどが新人だったので、青柳さんに保護者をお願いして洞口待機をしてもらった。すると青柳さんは嬉しそうにバーナーでお湯を沸かして、ラーメンを食べ始めた。寒い日、山でのラーメンは幸せそのものだ!私は羨ましくて仕方が無かったので、あまり見ないようにして15時、足早に他の穴の下見に出発した。
10分ほど歩くとすぐに「山田さんの穴」に到着。3mΦくらいの洞口で、そのまままっすぐに洞床まで落ち込んでいる。洞床はあまり見えないが、それ以上の展開はなさそう。さきほどの穴と違って、ドリーネから始まる穴ではなく、岩盤にいきなり開口しているような竪穴。次の調査日にこの穴の測量をする予定だが、すぐに終わりそうだ。

そこから、今度は「穴」へ向かうが、「三蔵池」を通って、明瞭な水流跡の近く、石灰の露岩が控えめに出ている斜面に80cmΦくらいの狭い洞口が開いている。洞口が狭いので中から噴出する風が強く感じるが、洞窟としてはそれほど強いと言えないと思うが、同じくらいの風で90m級の竪穴もあるので、とにかく入ってみることにした。ハーネスをつけていた稲垣さんに入ってもらう。上からのぞくとクラック状の穴で、稲垣さんは数メートル下降したところで洞床に到着した様子だったので、深さはそれほどない。「骨がたくさんある」と稲垣さんから連絡。しばらくすると、チカノも呼ばれる。たぶん狭いところがあって、入って欲しいのだろうと思いながら入ってみるとやはり「ここ見てきて」と頼まれる。しかし、そう言っている稲垣さんの背後にもっと大きいルートが見えたので、「そっちはどうなってんの?」と聞くと「なんだ見つかったか、じゃあ先にこっちを見よう」とそのルートを進んだ。
しかし、そこはルートと言うほどのものではなく、すぐに8m四方くらいのホールになっていて行き止まりだった。しかし石灰ではない大きな岩盤が横たわっていて、興味深い場所だった。
気をとりなおして、最初に指示された狭い穴に頭を突っ込んだが、ディギングが必要で、風も感じられなかった。
もう時間がなかったので、いくつか阿部さんに見ていただく骨を採取して、洞窟を出たのが16時30分。
日没が近いので、急いで「竪穴」へ戻ると、他のメンバーは早く帰りたがってジリジリしていた。
16時50分「竪穴」前から歩きだし、帰り道はショートカットして17時08分に林道へ出た。
この後も別の穴を見学したいという希望もあったが、その穴はだいぶ遠いので、別の日に変更になり、早々に下山することになった。朝も早かったので、みんな疲れて眠く、しりとりなどして眠気を抑えながら、また長い林道を延々と下り、上石津町役場に到着したのは6時半ごろ。すっかり暗くなっていた。
いつもは博物館で解散するので、居心地が良くて長居してしまうが、次回の打ち合わせと当日の活動のまとめを手早く済ませてすぐに帰路についた。

この日の調査は新メンバーの参加率が高かった。
今年はとくにやる気の高いメンバーが増えてきたので、自分のスキルを高め、またそのことを先輩メンバーたちに認めてもらえるようにがんばって欲しいと、思うが、すっかりオバチャンになった気持ちにならされて、まったく忌々しいのだった。
入山前の打ち合わせ 宮本の新兵器を背負う えびのしっぽ、樹氷 入山 継子穴の横を通過
ぬた場、動物のお風呂? 「竪穴」に入洞する準備 測量開始 入洞 「竪穴」洞床
「竪穴」洞床。壁は白い 新兵器はビデオカメラ 三蔵池の横を通過 「穴」に入洞
記入者 チカノ

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